お金を借りたり、飲食代金を立て替えてもらったりしたとき、
「出世払いにして!」という言葉を聞くことがあります。
たいていの場合は、軽い冗談のつもりで言うのでしょうが、
もしこれが本気だった場合は、法律的にはどのように考えたら良いのでしょうか?
まず問題になるのが、「出世」の定義です。
課長? 部長? 役員? あるいは独立開業?
双方の見解が分かれれば、出世払いと言った当時の状況も考慮して、
どの段階で出世したと判断するか、
お互いが主張していくことになるでしょう。
さらに、興味深い裁判記録があります。
「出世しないことが確定」した場合も、支払う必要があるとしたのです。
これは、出世することが返済の条件ではなく、
出世する、あるいは出世しないことが確定するという期限までは支払を猶予するということです。
条件は、必ず起きるか分かりませんが、
期限は、必ず到来します。
借りたお金は返すのが当然、という考え方から、
条件ではなく期限と判断されたようです。