他人にお金を貸したり、お金を払ってもらう約束をするときに、
「借用書」や「契約書」を公正証書にしておくと良い
こんなことを耳にされた方も多いと思いますが、
公正証書にするメリットって何なんでしょう?
公正証書とは、公証役場にて公証人に作成してもらう書類のことです。
公証役場、公証人についての説明は、ここでは省略しますが、
簡単に言えば、個人間で作った書類よりも、真実性が高くなるという事です。
真実性が高いということは、裁判の証拠にする場合などにおいて、
本物の書類と認められやすいということになります。
つまり、お金を払う側にしてみれば、
公正証書にした「借用書」を裁判の証拠にされたら負けてしまうという意識が働くため、
お金を払ってもらいやすくなるというメリットがあると言えるでしょう。
でも、もっとメリットがあるのです。
相手がお金を払ってくれなかったときに、 裁判を省略できる 可能性があるのです。
相手にお金を請求する裁判手続きとは、
まず、相手に対して「お金を払いなさい」という判決をもらうための裁判をします。
この裁判では、「借用書」などを証拠として提示していきます。
この裁判で勝って、相手に対して「お金を払いなさい」という判決が下ったとしても、
相手が自ら進んで払ってくれるとは限りません。
そこで、相手の財産を差し押さえて、強制的に支払ってもらうための裁判をするのです。
この裁判では、先の裁判の「判決書」を証拠として提示していきます。
つまり 、裁判を2回 するのです。
ところが、公正証書で「借用書」を作成しておくと、
1回目の裁判が不要で、2回目の裁判のみをすれば良いのです。
2回目の裁判のときに、公正証書で作った「借用書」を提示するのです。
ただし、これには条件があって、
公正証書の中に、
「お金を払う側が『もし、自分がお金を払わなかったら、自分の財産を差し押さえても良いよ』と言った」と書いてなければいけません。
お金の貸し借りや支払いの約束は、個々の状況ごとに対応が違ってきます。
当事者間で決めてしまうと、後日のトラブルとなりやすいですので、
契約前に、法律の専門家に一度相談されると良いでしょう